競馬用語集

ア行

アオる

 発走状態で、直前あるいはゲートが開いた瞬間にゲート内で立ち 上がったり前肢をあげた格好で発走すること。

あがり馬

 調子の昇ってきている馬。上昇線をたどっている馬は意外に強く 、多少の増量や不利な条件などを苦にせず勝つことがある。

あがりタイム

 ゴールから逆算して終いの3ハロン(600m)、4ハロンの所要タイム。 他のレースと比較して全体の時計は同じでもあがりタイムが早ければ、 末脚のよいことを示している。あがりタイムはレースの展開に左右される。 また芝馬場とダート馬場ではタイムが全然違うので比較する場合この点 には十分注意する必要がある。展開にもよるがあがり3ハロン34秒台の 末脚が使えれば優秀だろう。

脚色

 馬の走りぶりのこと。能力を一杯出し切ってこれ以上スピードが鈍って 来ているようなとき、脚色が悪くなったといい、まだ余力が十分残って いるときは脚色がいいというように使われる。

足抜き

 馬場状態を表す言葉で、足を取られて思うように走れない時、「足抜 きが悪い」といい、見た目では悪い馬場でも走りやすい時は「足抜きが いい」と言う。

汗取り

 背肉、腰や頸部の脂肪を取るために発汗を促す目的で、通気性の悪い 毛布、合羽、ビニールなどを利用して行う。

後検量

 レース後、騎手が決められていた斤量で騎乗していたかどうか調べる。 前検量に比べて0.4キロ以上の増減があったとき、裁決委員に報告され 決裁され、失格となることがある。

併せる

 調教のとき二頭以上の馬で並んで走ること。調教は一頭ですることも あるが、馬に競争意識をつけるため能力の接近した馬と一緒に 走らせることが多い。併せ馬の場合、外と内では外の馬の方が一般的に 強い。またタイムは単走の時より速くなるのが普通である。

ウッドチップコース

 繊維状に粉砕された木片を砂の上に敷き詰めた馬場。

馬なり

   追わないで馬のいくままに走ること。調教時計の注釈によく使われ る。馬なりでもその所要タイムによって、その馬の調子と実力が 推測できるが、タイムを採る者の主観が多分に入るので注意が必要 である。

馬っけ

 うまっけ。牡馬が性的に興奮した状態で、性器を勃起させること。 パドックで前に牝馬が歩いているとき見かける。競走成績の浅い馬に 多い。

裏開催

 中央(東京、中山、京都、阪神)開催が行われているとき、同時に 行われるローカル(福島、新潟、中京、小倉)開催のこと。札幌、 函館は同時開催であっても裏開催とは言わない。

追い切り

 出走の直前に行う実戦に近い調教。調教距離は各馬まちまちだが、 一般的には長いもので1600m、通常1200mを最後の3ハロンを重点 に追いきられるものを言う。だいたい水曜か木曜日で、たまに 日曜日にすまされるケースもある。

折り合い

 馬と騎手の呼吸が合うこと。

オープン競走

 特に決められた条件のない限り、すべての馬が 出走できる競走を言う。オープン馬とは収得賞金の最高のグループに 属する馬。オープン競走にはすべての馬が出走できるとは言っても、 超A級の馬と未勝利クラスの馬が競馬をしたのでは勝敗は歴然として いるので、下位条件の馬は出走できないよう条件づけられていること が多い。

カ行

かえし馬

 本馬場に出てきた馬が思い思いの方向にレース前のウォーミング アップに行くこと。もう一つはゴールインした馬が検量所に引き返して 来ることも言う。

角馬場

 各コースで速いタイムの追い切りを行う前、筋肉をほぐし故障を 予防するためウォーミングアップを行う馬場で、大きいものは 1周1500mあるものから、小は180mのものが数個所設けられている。

空馬

 からうま。レース中に騎手が落馬して、馬のみで走っている。

仮柵

 かりさく。芝保護を目的に、内ラチから離し、一定の距離だけ外目に 設けられているラチ。最内柵による馬場をAコースと呼び、 外に行くごとにA1あるいはBコースなどと呼ばれている。

キャンター

 馬の歩き方、駈け方にはふつう常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、 駈歩(かけあし)、襲歩(しゅうほ)の4つに分かれる。 キャンターとは英語で駈歩のこと。常歩はウォーク、速歩はトロット、 襲歩はギャロップ、ダクというのは日本語で、前足を高くあげて足早 に走ることで速歩にあたる。競馬はふつうギャロップで行われる。

クラシック

 明け4歳馬によって争われる桜花賞、オークス、皐月賞、ダービー、 菊花賞の5レース

口向き

 ハミ受けのこと。「口向きが悪い」といえば、騎手の思い通りに 操作できないことを指す。

屈腱炎

 前肢に起こりやすい腱の病気。競走やトレーニングを行うときに、 腱に加重の負担がかかり、これが強すぎると炎症を起こして腫れる。 完治は難しく再発もしやすい。 多くの名馬がこの病気により引退に追い込まれた。

経済コース

 無駄なくコースを走るということで、内ラチすれすれに通るコースの こと。

毛づや

 馬の健康状態が端的に現れるのが毛づやである。つやつや光って見える のは栄養十分で健康状態であることを示している。不健康な馬は 毛づやがなく、毛がたってボサッとしている。本当に毛づやが悪いのか 手入れが悪いのかを見極める必要がある。

検量

 出走馬ごとに決められた負担重量をチェックする。発想70分前を 「前検量」、上位入線7位までを採決委員が指定した騎手が行う 「後検量」がある。

減量騎手

 正式名称は見習騎手。騎手免許をとったばかりの若い騎手は、ベテラン に比べて技術が未熟で同一条件で競走した場合どうしても不利になる。 そこでこういう騎手に騎乗機会を多く与え、育成を図るために 見習騎手に減量制度がとられている。

降着

 競走中に他馬の進路を妨害し、著しい不利を与えた場合、その不利を 受けた馬の後の着順に下げられる。

コズみ

 疲労の蓄積により、肩や腰、腱などに痛みを伴ってできる筋炎の俗称。

古馬

 3歳馬の出走する夏季から年末までは4歳以上をそう呼び、年頭から 春の終わりまでは5歳以上を言う。

サ行

笹針
 針治療の一種で、「三稜針」という針を用いる。この針の形が 笹の葉に似ていることからこう呼ばれる。肩や腰に乱刺、放血 させて疲労を取り除く。

ささる

 調教・またはレースで、馬が打ちに斜行することをいう。もたれる という表現も使われる。

斜行

 競走中に内または外へ斜めに走ること。障害の飛越の時の同様の 行為は「斜飛」という。

シャドーロール

 頭の高い馬、前方から飛んでくる砂などから目の保護、および 走る気をなくす馬に用いる矯正具。代表的な装着馬は94年に 皐月賞、ダービー、菊花賞を勝った三冠馬ナリタブライアン。

じり脚

 決め手がなく、速い脚を使えないタイプで、勝ちみにおそい馬が 多い。

末脚

 最後の直線での脚勢のこと。ゴール前で伸びると「末脚が切れる」 といい、踏ん張りの利かない時は「末脚が甘い」という。

ステイヤー

 何メートル以上といったはっきりした区別はない。一応、1600m以下が 短距離、1600〜2200までを中距離、それ以上を長距離と考えられている。 長距離を得意とする馬をステイヤーという。

ステークス

 馬主同士が賞金を拠出して、その賞金を取り合うレースをいう。 現在本賞金は中央競馬会が出しているので、登録料を付加金として 1着から3着までに7,2,1の割合で配分する形で残っている。 ほとんどの特別競走がステークス制をとっていると解釈してよいだろう。

ずぶい

 馬自身が積極的に走るタイプではなく、騎手が手綱をしごいたり 、ムチを入れたりしないとレースの流れについて行けないタイプを 「ずぶい馬」と言う。

スプリンター

 スピードを身上とし、短距離レースの得意な馬のこと。何メートルと いうはっきりとした決まりはなく、1600m未満のレースを得意とする 馬をそう呼んでいる。

攻め馬

 一般的に言われる調教のこと。

ソエ

 管骨瘤の俗称。前脚のひざ下あたりの骨を覆う膜が炎症を起こす。 3歳時によく出る。

ソラを使う

 戦う気持ちがフッと薄れる状態。直線で先頭に立ち、1頭になった時 によく起こす。

タ行

滞在競馬
 あらかじめ当該競馬場に入厩してレースに臨むこと。美浦や栗東トレセン で追いきった後、前日に入厩する場合は、前日または直前入厩と言う。

タイムオーバー

 競馬施行規定で定められているもので、1着馬のタイムが芝では4秒、 ダートでは5秒超えて入線すると、1ヶ月間出走できない。ただし、 採決委員が止むを得ないと見とめた時等例外はある。

叩く

 騎手がムチでたたくのと、“レースを使う”という2つの意味がある。 「休み明けのひと叩き」など。

単走

 1頭で走ること。2頭以上を併せ馬と言う。

ダートコース

 芝馬場保護のために作られた、砂、砕石、シンダー火山砂利から 成り、砂馬場と異なるのは、路盤と基盤の間に弾性層(火山砂利) を設けていること。

定量

 負担重量の一つ。収得賞金、勝ち鞍に関係なく一定の斤量に 決められているレースを言う。クラシックを始めとするG1レースで 競走番組に定められている。

手前

 馬が走る場合、左右どちらを前に出して走るか。左が前なら 「左手前」、右なら「右手前」という。コーナーでは手前を 替える馬が多い。不器用だとか、四肢のいずれかが故障(不安) を持っていると、手前を替えられず、スムーズにコーナーが回れない ことがある。

出ムチ

 スタート直後にムチを使うこと。どうしても先頭に立ちたい時 などに使われる。

テン

 「テンが速い」とは最初が速い。「テン乗り」とは初めてその馬に 乗ること。最初とか、初めてとかいう意味。

当日輸送

 開催日にトレセンから競馬場に輸送すること。関東なら美浦から 中山、東京へ、関西なら栗東から京都、阪神、中京へ。

特別レース

 ○○特別、○○ステークス、○○賞等のレース名のついている競走で、 一般レースとは異なり、特別登録を必要とする。重賞レースも含む。

とも

 馬体を大きく3つに分け、前く、中く、後くというが、 後くのこと。尻、股(もも)、後肢(こうし)が入っている。

トラックマン

 専門誌の取材記者の別称。予想、記事を書くために調教タイムの 採時、観察、厩舎取材(調教師、騎手を含む)をする。

トレセン

 正確にはトレーニングセンターのことで、関西には44年栗東、 関東には53年美浦に完成した。競走馬を1か所に集め合理的に 調教する場所。

ナ行以降

ハミ
 騎乗者が馬に対し緻密な感覚で、細かい運動を要求できるよう 利用するもの。馬を誘導する手綱の“要(かなめ)”になる口のなかに 入れる金具。ハミにかかるとはハミの口受けがよく、馬が最も走りやすい 状態にあること。逆にハミががりが悪い馬はスタートで遅れたり、 はみをはずして全力を出しきれなかったりする。

ハンデ

 ハンデキャップレースで各馬の能力が均等になるようにつけられた斤量 のこと。ハンデキャップ委員が任命され、その委員が各馬の成績や そのときの調子を総合して決定する。ゴール前各馬横一線というような レースになったときはハンデキャップ委員のお手柄と言える。

坂路(はんろ)

 美浦と栗東では多少異なるが、高低差をつけた練習馬場で、ウッドチップ を敷き詰められている。走行時に受ける衝撃が、一般の練習馬場(ダートコース) に比べて極めて小さいため、爪や、脚部に不安がある馬も十分なトレー ニングが可能。坂の下りは歩かすので、乱れた呼吸を整えられ、理想的な インターバルトレーニング法を行えるものと考えられる。

ブリンカー

 他馬を怖がったり、まっすぐ走ることの出来ない馬が、最大の能力を 発揮できるように、鋭敏過ぎる視覚を、一部制限する目的で 装着する矯正具。ただし、これを装着して即座に効果があるとは 限らない。

プール

 一般に使われるのは円形プールで、幅員3メートル、水深3メートル。 主に、脚部に負担をかけず、心肺を鍛えることを目的として使用されている。

別定重量

 馬齢重量やハンデとは別にそのレースのために特に定められた 負担重量。ただし、別定重量のうち、馬の年齢または性により定めるものを 特に「定量」と言う。

落鉄

 競走中あるいは競走前に蹄鉄が外れて落ちること。完全に蹄鉄が落ちない で釘がゆるんで外れかけているときも一応落鉄といっている。 発走地点にはいつも装鉄師が待機していて不意の落鉄に備えている。 競走中落鉄すると一般にスピードが落ちる。